最後のたびのそら屋

こんにちは。
お米 通販の新潟コシヒカリ農家「内山農産」のスタッフ、チカです。
私が愛したカフェ、「cafeたびのそら屋」、最後の日です。
cafeたびのそら屋
大学卒業後、地元に戻ったものの、日々をくすぶって過ごしていた私は(本当です笑)、そのお店と出会いました。
以前その場所には「びんのかけら」という、ジャズとコーヒーと手焼きピザで有名な喫茶店がありまして、子供心に大人のにおいを感じる、どきどきするお店でした。(すぐ近くの大町小学校に通っていました。通学路にお店があった)
長年そこで営業されていましたが、8年ほど前に移転、その後に入ったのが、「cafeたびのそら屋」だったのです。
大町小の通学路に存在する、cafeたびのそら屋。右手には青田川が流れています。
大町小学校は右方向にあります。私は左から右へ、この道を歩いて通っていました。
cafeたびのそら屋
何がきっかけだったのか、今となってはよく覚えていないのですが、ある日ふらりと入店した私は、その雰囲気と店主のあたたかさに惚れこんでしまい、いつしか文庫本を持って、立ち寄るようになってしまいました。
と言っても、季節ごとくらいのタイミングで顔を見せる常連さんといった感じでしたが。
オープンしてから7年7ヶ月、友達と行っておしゃべりをすることもあり、母を連れて行ったこともありましたが、ひとりでゆったりと過ごさせてもらった場所。
先月半ば、いつものようにふらりと入り、スイーツとコーヒーを味わっていたときのことでした。
他にお客さんはほとんどいません。
店主のさ和さんが話しかけてきます。「チカちゃん、あのね…」
寿閉店のお知らせでした。
良い出逢いがあり、お店を閉めて、上越市を去ることになったそうです。
もう私は驚いてしまって、まさかそんな、お店が無くなる日が来るとは思っていませんでしたから、しばらく声が出ませんでした。
話を聞くうちに、じわじわと喜びというか、嬉しさがこみあげてきて、うっかり泣きそうに…。
だっておめでたいことですから、ご結婚ですもん。
でも、同時に、とても寂しいです。
7年以上も通っていて、ただ本を読むだけの日もあれば、さ和さんとおしゃべりをして楽しむ日もあり、ご飯はどれもとてもおいしいし、手づくりのスイーツも絶品だし、本当に愛していました。
自宅以外であんなにほっとできる場、心休まる場は無いです。
がちがちに凝り固まった心と体をじんわりほぐされたような、そんな気分になって、自宅へ帰っていました。
そんな愛するたびのそら屋の閉店日が、10月28日でした。
最終日には必ず顔を出そうと思って、休日はいつも昼まで寝ているのですが(苦笑)、10時に目覚まし時計をセット。
・・・はっと目が覚めときには、11時過ぎ!
急いで仕度をして、駐車場はきっと車を停めるスペースは無いだろう、徒歩で出かけました。
お店に到着したのは12時前でしたでしょうか。
ちょうどさ和さんとお客さんがドアから出てきて、看板の前で記念撮影、そして名残惜しげにお話をされていました。
私はお二人のお別れを待って。
「チカちゃんいらっしゃい!来てくれたんだー」 ドアを開けて、足を踏み入れました。
店内はお客さんでいっぱい。最後の日ですもんね。
運良く先ほど出ていったお客さんが座っていたと思しき、カウンターの末席へ腰掛けます。
いつもの休日は、店主のさ和さんとアルバイトの女性の二人で切り盛りしていますが、さすがに忙しいとみえて、アルバイトがもう一人、三人体制でした。
「良かったね、ちょっと前なら満席でお断りしたお客さんもいたから」
寝坊して幸いでした(笑)。
カウンターの目の前に置いてある、さ和さんを描いたイラスト。ほのぼの。
さ和さんを描いたイラスト
オーダーを済ませて、さて本でも読んで待っていようと思った時、ふと入り口を見ると…!
高校の部活(美術部)の後輩君が立っていました!
えっ!うそ、久しぶり!来たの!最後だから!?
この後輩君とは、以前は何度も一緒にたびのそら屋に来ていました。
どちらが先にこのお店を見つけたのか、それもあいまいで、とにかくお互いにこのお店を気に入ってしまって、一緒に来ることもあれば、それぞれ一人で来ることもあり、という。
互いに大事な場所だったわけです、たびのそら屋が。
何年か経ち、この後輩君が上越を出て都会へ行ってからは、一緒に訪れることもなく。
後輩君も仕事が忙しいそうですから、ここ1、2年は会ってもいなかったわけです。
それがここのきての久々の再会、しかもたびのそら屋で最終日にこの場所で。
嬉しかったですねー、大事な友達ですから。
店内は満席でしたが、荷物置きの椅子を、他のお客さんが譲ってくださって。
後輩君も無事に座ることが出来ました。
近況を聞かせてもらいつつ、そのうちに右側に座っていた3人のお客さんが帰られて。
席が空いたので、移動して、カウンター席の一番端っこに座りました。
ここが私のお気に入りのカウンター席。空いていれば必ずここに座ります。
私のお気に入りのカウンター席
この日は大変な混雑でした。
オーダーから一時間後に、食事メニューについてくる一品が運ばれてきました。
ほんと、さ和さんは大変だったと思います…。
カボチャのポタージュスープ。とても美味しかった。
小さなカップ一杯じゃなくて、もっと大きな器で飲み干したいと思いました(笑)。
カボチャのポタージュスープ

< div>ここ最近はまって食べていた、ボローニャスパゲティ。

いわゆるミートソースですが、丁寧に作ってあって、とっても美味しい。
ボローニャスパゲティ
抹茶のチーズケーキ。
そら屋最後のスイーツの味をかみしめてました。
抹茶のチーズケーキ
幸せ幸せ、ああ幸せ。そんなことを感じるひとときでした。
美味しいと感じるものを食べることが出来る、最高の幸せですね。
さ和さんとのおしゃべりももう出来ない、本当に寂しいです。
でも、またいつか会えると信じて、笑顔でさよならをしました。
たびのそら屋さん、店主のさ和さん、今までありがとうございました!